脳のおしゃべりを鎮める方法は瞑想

意識が今この時!ではない状態がストレスになります。


今に集中することで精神疲労は減少し、脳のおしゃべりを鎮めることができます。脳のおしゃべりとは、脳が活動状態にあることです。なぜ活動状態にあるのでしょうか?
現代社会は、少し前に比べて疲れの種類が変わってきています。もちろん、職種や環境によりますが、一昔前は疲れと言えば身体的疲労でした。しかし現代では、精神的疲労の割合が大きくなっています。いわゆるストレスですね。
過去の失敗を、こうすればよかった、なぜあんなことをしたんだろうと思い返します。その失敗を次に活かすことができればいいのですが、過去の失敗にとらわれ、スムーズな行動ができない・・・。適切な判断ができない・・・。
失敗を恐れ、発言も出来ない・・・。ああ、明日の会議は大丈夫だろうか。上司にまた叱られるのか、会社に行きたくないなぁ。周りの人は私のことをどんな風にみているのかなぁ。
このようなことを考えていては眠れるはずがありません。したくもないのに、脳が落ち着かず、眠れなくなります。
このような不安を抱えてなくても、早寝は良いことだから早く寝ないといけない!明日は試合だから早く寝よう。でも、早く寝よう早く寝ようと思うほど眠れない!と布団で考える人もいるでしょう。
このような脳のおしゃべりを鎮めなくては眠れないのです。その脳のおしゃべりを鎮める方法の一つが瞑想なのです。
脳波にはα波、β波、θ波、δ波の4種類に分類されます。α波が覚醒リラックス時で9-14Hz、β波が通常覚醒時で15Hz以上、θ波が浅い睡眠時で4-8Hz、δ波が深い睡眠時で1-3Hzです。
ずっと緊張していると精神疲労が溜まります。精神疲労は休日に取り戻せるかといえばそのようなことはありません。精神疲労を回復させる方法は、集中と睡眠です。
過ぎ去ったどうしようもない過去や何が起こるかわからない未来に精神をすり減らすのではなく、今現在に集中すると精神疲労はかなり減ります。昔のことは昔のことで、過ぎ去ったことは変えることは出来ません。また、これから起こることも言い当てることは出来ません。今出来ることをやる。
今その時の集中力を高める―これが瞑想です。

瞑想のやり方

瞑想は大きく2つにわけることができます。それは「止」と「観」です。

止とは

「止」は心の働きを鎮めることが目的です。心の働きを減少させて静かにすることです。最近よく聞く瞑想といえば、「止」のほうです。止は、観察の対象(業処 kammatthAna)が一つに限定され、他のものに心の働きが移った時に、最初のものに戻るという特徴が見出されます。立っているときには立っていることに気づき、立つということだけに集中します。
特に重要な観察対象は呼吸とされています。息を吸うときには空気が入ってきていることを観察し、吐くときには出ていっていることを観察します。そして呼吸以外のものに意識が移ったなら、呼吸に意識を戻します。呼吸はゆっくりと行います。一度、瞑想の「止」をしてみてください。初めは30秒も続かないかもしれません。

観とは

「観」は今起こっていることを見つめることです。何が起こっていても目を逸らさずに、あなた自身の感情を加えず、平らかな目で見つめることです。

まずやってみて、3週間続けることが大切

以下の記事は禅瞑想の生理心理学という研究論文を引用・参考にしています。

瞑想はとりあえずやってみることから始まります。しかし、すぐに習得できるというわけではありません。瞑想時の脳電図を測定してみると、10年以上の修行歴を持った被験者では、想定開始後17分後には前頭部、頭頂部、後頭部から連続したリラックス状態の脳波であるα波が出現しました。しかし、修行経験のない対照者ではα波は出現しなかったと報告しています。

以下の記事はEffects of mindfulness meditation training on anticipatory alpha modulation in primary somatosensory cortexという研究論文を引用・参考にしています。

一方で別の報告があります。瞑想するグループ(6人)と瞑想しないグループ(6人)に分け、0週間目、3週間目、8週間目に、α波の計測を行いました。瞑想経験のない人でも8週間瞑想を続けるとα波を制御する力が高まるという結果が出ております。

下の図は瞑想しなかったグループと瞑想したグループに対して、手と足に触覚刺激を与えた際の反応を表しています。瞑想したグループは、外部からの刺激があっても心は乱されにくくなります。足への刺激において瞑想しなかったグループでは出なかった箇所にα波がより強く出ていますので、集中力が高くなっていると言えます。

実際にやってみた

瞑想を実際にやってみました。初めは1分間も持ちませんでした。1分間も呼吸に集中する意味が分かりませんでした。まったく無駄な時間だと、そう感じました。何も生み出さず、生産性のない時間だと。しかし、そう思ったのは実は負け惜しみでした。1分間の集中力もなかっただけです。継続してやってみると少しずつですが長時間できるようになってきます。長時間行うには我慢が必要でした。時間があれば何か他のことがしたいと考えてしまうからです。そこで、寝る前の、布団に横になっている時間だけ瞑想することにしました。すると瞑想時間が伸びたのです。瞑想することで昔の失敗や次の日の心配事は薄れました。さらに最近の眠れない原因として、子供が身体の上に乗ってきたり足で蹴ってきたりするのですが、それでも眠れるのです。

コメント

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