二酸化炭素濃度を下げると睡眠の質は向上します

二酸化炭素濃度の上昇を防ぐために換気しよう
睡眠中の換気はどうする

二酸化炭素濃度の上昇を防ぐために換気しよう

二酸化炭素が原因で睡眠の質は変化します。二酸化炭素濃度が高いと入眠潜時(眠るまでにかかる時間のこと)が長くなり、途中で起きる可能性も上がり、睡眠の満足感も下がります。

以下の記事は環境要因と被験者の体動及び心拍変動が主観的睡眠感に及ぼす影響という研究論文を引用・参考にしています。

身体状況と環境因子そして主観的睡眠感の3因子の関係した研究です。身体状況とは、体動・心拍数・ストレス指数の3点のことです。環境因子とは部屋の中央温度・中央湿度・二酸化炭素濃度・壁面放射温度の4点のことです。主観的睡眠感とは、起床時の眠気・入眠と睡眠維持・夢み・疲労回復・睡眠時間の5点のことです。下のグラフが結果であり、身体状況と環境因子と主観的睡眠感の関係が数値で表現されています。数値はプラスであれば正の相関があり、マイナスであれば負の相関があることを示しています。絶対値が大きければ大きいほど強い相関があります。

グラフを見てみますと、体動は、起床時眠気・入眠と睡眠維持・疲労回復・睡眠時間と負の相関があります。つまり、睡眠時の体の動く回数が少なければ、起床時眠気・入眠と睡眠維持・疲労回復・睡眠時間に関しては良い方向に働くということです。心拍数は疲労回復に負の相関があります。つまり、心拍数が低く安定していれば、疲労回復に関して良い方向に働くということです。そして、二酸化炭素濃度の標準偏差値は体動と正の相関があり、二酸化炭素濃度の平均値は心拍数の標準偏差値と正の相関があります。つまり、二酸化炭素濃度の減少が睡眠の質を上げるのに役立ちそうです。締め切った気流のない部屋よりも空気の出入りがある部屋で眠ることが重要です。睡眠時は起床時よりも二酸化炭素の排出量は下がるとはいえ、呼吸しているので二酸化炭素は排出されます。時間がたつほど二酸化炭素濃度は上昇しますので、寝入る際、睡眠中は換気しましょう。

睡眠中の換気はどうする

睡眠中に換気するとなると、外気を取り入れ、室内の空気を排出するために窓を開けることが最も効果的でしょう。しかし、睡眠中のため窓は開けっ放しになります。そうすると問題になるのが雨や雪、動物、虫の侵入・泥棒などによる安全性の低下・騒音・夏であれば熱帯夜による目覚めなどが考えられます。では窓を閉めたままで換気する方法はというと、部屋のドアを開けて、扇風機やサーキュレーターによって室内の空気を循環させるというやり方があります。これならば窓は閉めたままで換気の効果も得られるはずです。室内の空気を循環させるだけで意味があるのかという人もいるかと思います。二酸化炭素は空気よりも少し重いため、下にたまる性質があります。ドライアイスは二酸化炭素の固体ですが、テレビなどで白い雲のようなものを見せるためにドライアイスを使用していることがあります。その雲(二酸化炭素)が時間経過で地面を這うように流れていくのを見たことがないでしょうか。あの現象は二酸化炭素が空気よりも重いので起こる現象です。つまり、サーキュレーターなどを使用することは二酸化炭素濃度が高まるのを緩和する効果があります。因みに扇風機とサーキュレーターでは風量が異なるようで、人に当てて使うための扇風機は優しい風を起こし、サーキュレーターは空気を循環させるために強い風を起こすことができます。

そして、窓は閉めたままで外気を取り入れるさらに高い換気効果を得られる方法があります。それは外気を取り入れることができるエアコンを使用するというものです。窓を閉めた状態でエアコンを使用すると、室温が一定に保たれますので、快適に眠ることができます。

おすすめのサーキュレーターは静音設計で360℃回転モデル

睡眠中に使用したいのであれば静かなほうが良いでしょう。サーキュレーターは風量が強い反面、音が大きくなります。サーキュレーターの中でも静音に設計されている機種があり、40dB以下に抑えたものがおすすめです。因みに40dBというのは、図書館内やささやき声くらいです。人によっては最も眠りやすい音量かもしれません。360℃回転モデルは首振り機能によって実現されるものです。様々な方法に風を送付することで部屋全体の空気を循環さます。

山善 YAR-CD201は、静音設計・360℃回転モデルのサーキュレータ―です。風量の調節は8段階で、20畳までの部屋に対応しているので強力です。入・切タイマーは最大8時間、1時間ずつ設定可能です。電源は家庭用100V電源です。リズム風運転という運転モードがあり、自然風のような変化のある風を楽しめるほか、長時間風を受けたことによる冷えすぎを防ぎますので、睡眠時にはもってこいのサーキュレータ―です。2㎏あります。

アイリスオーヤマのサーキュレーターアイ DC silent　KCF-SDS151Tは、静音設計されたサーキュレーターで、上下左右に送風できます。また、1.3㎏と軽いのも特徴です。24畳までの部屋に対応しており、かなり強力です。

山善 BAR-DDW15Kは、風量の調節は5段階で、18畳までの部屋に対応している静音設計のサーキュレーターです。入・切タイマーは最大8時間、1時間ずつ設定可能です。電源は家庭用100V電源です。左右合計75度、上下75度までの首振りで部屋内の換気を行います。このサーキュレーターは簡単にお手入れできるという点で優れています。工具不要で前面ガードと羽根、さらに裏面ガードまで取り外しでき、お手入れがしづらいガードの隙間や羽根の裏側なども、簡単にお掃除をすることができます。

ダイキンのエアコン

換気機能が搭載されたダイキンのエアコンは、RシリーズとMシリーズ、そしてVXシリーズです。Rシリーズは給気方式と排気方式によって換気を行います。MシリーズとVXシリーズには排気方式による換気機能はなく、給気方式によってのみ換気を行います。つまり、MシリーズとVXシリーズでは外の新鮮な空気を取り入れることで換気を行っており、Rシリーズは二酸化炭素濃度が高くなった部屋の空気を外へ排出する排気方式でも換気を行っています。Mシリーズは子供部屋など6畳から10畳用のエアコンです。